無垢フローリングのメリットとデメリット

まず無垢フローリングとは、天然木から製材を行い取り出した1枚の床板を意味します。
又、そこに製品としての精度を上げるための、反り止め加工や、床板を側面同士に張り合わせていくために必要な、実加工をほどこした、言わずと知れた天然の自然素材になります。
木の種類や取り出す場所により、年齢からなる奥深い模様や、節の大小と有り無し、色目の違いによるさまざまな表情などを楽しむことができて、さらにその特性を知ることにより、良い悪いは別として、無垢フローリングへの考え方が少し変わっていくかもしれません。
今回は、その無垢フローリングを使用する際のメリット・デメリットを取上げてみました。
無垢フローリングの魅力とメリットについて
① なんといっても天然木が持つ、やわらかい質感と肌触り良さ、木が本来持っている温もりと独自の表情により居住空間に癒しと心地よさを提供してくれます。
② 桧や杉、その他無垢フローリングにより、それぞれ独自の香りを楽しむことができて且つ、消臭や脱臭効果があり、空気を浄化する能力があります。

③ 無垢の木は熱伝導率の低い、優れた断熱性能を持ちます。
熱伝導率とは木やコンクリート、鉄やアルミなどの物質対して、熱の伝わりやすさを数値として表したもので、熱伝導率の数値が低いほど断熱性に優れていることになります。
なんとなく感覚でわかると思うのですが、鉄と木を火にかけ比較したときに、鉄のほうが桁違いに早く熱を伝えて高温になることがわかります。
ここで木材と比較した場合の、その他物質による熱伝導率の違いを、断熱性の良いものから順に数値として表してみました。
空気(25℃) | 0.024 |
木材(25℃) | 0.14 |
水(25℃) | 0.58 |
ガラス(25℃) | 1.05 |
コンクリート(25℃) | 1.63 |
鉄(25℃) | 80 |
アルミニウム(25℃) | 250 |
銅(25℃) | 401 |
といった感じで、あくまで参考数値として認識した中で、仮に木材とコンクリートを比較した場合、木材のほうがコンクリートより、約12倍程度断熱性能に優れていることがわかります。
この知識を元にさらに掘り下げ、何故木材は他の物質と比較すると熱伝導率が低く断熱性能が高いのか、実は木材の細胞体は、顕微鏡で見ないと全くわからないくらいの、細くたくさんのパイプ状の空隙からなる物質で、その細くたくさんの集合体によるパイプの中が、空気で満たされていることにより、熱伝導率を低く、断熱性能を上げている大きな理由となります。
例えば広葉樹(欅、楓、ブナ、ナラ、栗など)と、針葉樹(桧、杉、松など)を比較した場合、比重にもより少し異なりますが、一般的に広葉樹は比重が重くて硬い、針葉樹は比重が軽くて軟らかいという性質に分かれるので、熱伝導率が低く断熱性能が良い方は、より空気を含んだ、軟らかくて比重の軽い針葉樹ということがいえます。
さらにその針葉樹の中でも、杉材に関しては、桧や松よりも軽くて、軟らかく暖かみがあることから、

④ 高温多湿の気候に適した調湿作用が有り、快適な空間を確保してくれます。
特に無垢フローリングを使用した際の効果としては、梅雨などの雨が多くなる時期に多い、湿気のあるじめじめした不快感を軽減し、さらりとした足触りを体感させる嬉しい機能を備えています。
⑤ 再生機能を兼ねた材料として期待ができます。
住宅でお馴染みの既製品であるフロアー材は、一般的に表面コートによる加工が施していて、傷や汚れ、凹みが生じにくく、表面強度に関してはもちろん無垢フローリングより強く、硬さがあることがわかりますが、耐用年数に関しては、使用頻度により少し異なりますが、約10年~15年程度といわれています。
その中で既製品によるフロアー改修工事は、張り替え工事と重ね張り工事による2種類になり、どちらも既存のフロアー自体は再利用ができなくなり、材料費がかかってきます。
しかし無垢フローリングの場合は、金太郎飴のように、どこまで切っても本物の木による素材のため、古くなったり、汚れた床板の表面研磨をすることが可能になり、大きい傷や凹みは別と考えた場合に、無垢フローリング表面の再生が可能になります。

まとめとして、このような上記による少し掘り下げた内容が、無垢フローリングのメリットになりましたが、もちろん見た目だけによる好き嫌いはあると思いますが、床材の選定による住宅室内の雰囲気やイメージ、与える印象などは、ほぼ床材により決まるので、より情報を得た中で機能的な部分も考慮した上で、床材を選定するようにしましょう。
無垢フローリングのデメリットについて

① 室内の床に使用する無垢フローリングにお勧めの材料としては、やはり軟らかく暖かみがあり、足触りの良い針葉樹 (桧、杉、松など) になりますが、凹みや傷、食べこぼしや、水関連のこぼしなどによる汚れが床表面に付きやすく、又その傷や汚れが取れにくく、徐々に残っていくことが最大のデメリットになるのではないでしょうか。(※浸透性の自然塗料を床材に塗布することにより、床材の表面保護を図れるようになります。)
その中で特に軟らかく、需要の多い杉無垢フローリングに関しては、私自身の家にも使用しており、十分満足のいく床仕上がりとなっていて、デメリットであるその細かい傷や凹みもまた味わいのある部分と捉えていいるので、特にそこまでのデメリットであるとは感じてはいません。
但し使い方により、無垢フローリングの凹みの深さや汚れの度合い、又その数が多くなればなるほど、より神経質な人なら気になる所だらけに感じるかもしれません。
又意外と住んでみて感じたことは、無垢フローリングはある程度傷には強く、物を落としたりする衝撃にはかなり弱いということがわかりました。
② 一年を通した調湿作用により、無垢フローリングは膨張と収縮を繰り返すことが一般的で、特に乾燥する冬場においては、表面化にフローリングに隙間や反りなどの動きが生じますが、最大で2㎜~3㎜程度までのフローリング同士の隙間なら、製品としてまだ許容範囲に入るものとしています。
又、梅雨や夏場による湿度の高い時期になれば、その2㎜~3㎜程度の隙間がなくなるなどの膨張現象が起きます。
このような現象が起きるのは、無垢フローリングの含水率による影響で、一般的な木工事による屋内使用での含水率は、12%以下の数値を基準とし施工を行うため、本来施工する前の無垢フローリングの含水率は、もちろん10%を下回る数値になることが、製品を納めるにあたり基本になります。
仮に含水率20%の水分を多く含んだ無垢フローリングを使用した場合、前述のフローリング同士の3㎜までの隙間とは違い、5㎜・6㎜と大きく隙間が開きやすく、癖のある無垢フローリングなら、分かりやすい反りや割れなどの狂いが発生する可能性が十分にでてきます。
これは言わずと知れた、施工前の含水率と商品を製造する過程に問題があるので、規定値を厳守し品質の確保に勤めれば、ある程度の大きな膨張や収縮、反りや割れなどの狂いは解消できます。
このように、製造過程により影響を受ける無垢材の性質に対して、デメリットになるといえばデメリットにはなりますが、製品を製造する過程において、しっかりと品質の確保さえすれば、狂いも小さくなり許容範囲内の商品にはなると思うので、デメリットにはならないと言えば、ならないとも言えます。

③ 既製品のフロアーに対して、無垢フローリングは床鳴りが発生しやすい傾向にあります。
その理由として、天然木は人と同じで、人間同士でもそれぞれ個性があるように、同じ材種による桧や杉同士でも、木目や節、色合いや年輪などは、どの木を比較しても全て異なり、同じものはありません。
そのような個性ある天然木を、さらに製材して商品にする訳ですが、取れる山林の場所や時期、その一年を通しての気候状況によっても、木にさらなる個性が生まれるため、いくら製品化として品質を高めても、やはり仕上げる商品に多少のばらつきはでてきます。
そのため極端に例えると、癖が強く、湿度や乾燥などの気候に影響を受けやすい材料なら、通常の取付け作業によるビスや、少量のボンドなどを使用し固定した無垢フローリングでも、痩せや暴れによる狂いを起こすこともあります。
そのため、その取付け部分の甘くなった無垢フローリングに緩みが出て、床鳴りが発生しやすくなります。
但し、無垢材という天然素材からくる認識により、私個人的には既製品のフロアーの床鳴りと比較すると、あまり違和感は感じないように思います。
このように、大きく3つのデメリットとして取上げてみましたが、やはりデメリットを少しでも解消するなら、品質の良い無垢フローリングを施工すると共に、単純にこまめに掃除や手入れを心がけ、床を大切に扱うことにより、無垢フローリング独自の雰囲気を堪能することができます。
又、無垢フローリングは、和風な床板と認識してる方も多いと思うのですが、全くどのテイストにもマッチする、意外と▶真似したくなるおしゃれな内装へと溶け込みます。
前述に挙げたデメリットが気にならない方は、是非無垢床材も視野に検討することをお勧めします。