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AD材とKD材

強制的に人工乾燥させているのがKD材

湿度や温度などを人工的に高温・低温調整できる乾燥窯に、短期間で強制的に乾燥させた木材のことを、KD材(キルンドライウッド)と呼びます。

 

 

何故、人工的に強制乾燥が必要かというと、


ケンシン
ケンシン
乾燥不十分な木材は経年していくことにより、狂いや暴れと呼ばれる、反りやひび割れ、収縮などが発生した場合、室内の仕上げ材である壁紙(クロス)のひび割れや、建具の建て合わせが悪くなったり、構造部材を緊結するボルトに緩みが生じたりといった、構造強度の低下を誘発させたり、仕上げ工事へのクレームなどが発生したりすることによる不具合を、KD材を使用することにより、少しでも軽減することができるからです。


しかし強制的に人工乾燥させることにより、水分はなくなり硬さは増しますが、肝心の脂身がなくなるので、木の本来持っている粘り強さがなくなり、木の内部に割れが生じるなど、耐久性も低下してしまいます。

 

 

木は本来、伐採した時に一旦強度が落ちて、自然乾燥していくことにより強度が上がっていきます。

 

 

例えば人工乾燥させた柱と、自然乾燥させた柱の木の表面を、カンナと呼ばれる大工道具で削り比べてみると、人工乾燥させた柱は艶がなくカサカサしてた仕上がりになりますが、自然乾燥させた柱はしっとりと艶のある上品質な仕上がりになります。

 

 

このように見た目から、自然乾燥の方が木の粘り強さがあることが伝わってくるような仕上がりになります。

 

 

やはり木の品質を保って家を建てる場合は、自然乾燥を取り入れた脂身のある木材を使用するにこしたことはないのですが、近代化した時代の流れには時間がかかりすぎることと、家を建てた後の仕上げ工事による表面上のさまざまな不具合を想定した場合、人工乾燥による方法で木材を生産したほうがリスクも低く、スピーディーで安定した市場への提供ができるということから、やはり狂いの少ないKD材の方が最適といえるでしょう。

 

 

このような内容から、木造住宅の材木の選定を考えた場合、急激な高温による強制乾燥で、効率化を図り生産された木材よりも、ある程度木材内部の細胞組織を破壊せずに、脂身を少しでも残せる低温乾燥で且つ、少しでも自然乾燥を織り交ぜ選定することにより、まだ木としての機能を少しでも果たしてくれるように思います。

自然乾燥のAD材は鉄骨より強い?

約1年以上の期間をかけて長期に渡り、無理なく自然乾燥させた木材のことをAD材(エアドライ)と呼びます。

 

 

現在の木造住宅の大半が、AD材ではなく、KD材と呼ばれる強制的に人口乾燥させた木材で家を建てています。極端にいうと、木の本来持つ性質を殺して造られた木材を使用しているということになります。

 

 

人口乾燥を行った木材を分かりやすく例えると、プラスチックや鉄などのような、無機質な工業製品化した表現があてはまります。

 

 

木材は一見このように扱いやすく、素直な材料として非常に使用価値がある反面、KD材へ処理することにより、木の細胞組織は50度以上の人口加熱を行ってしまうと死んでしまうため、その時点から木材としての強度も低下してしまいます。

 

 

ですから、2世帯・3世帯と長きに渡り重宝する考えの家造りを検討される方にはKD材はあまりお勧めできません。

 

 

別項目にてKD材の特徴についてもご紹介していますので、そちらもご覧下さい。

 

 

木は山で伐採されてから、100年・200年という年月をかけて強度を増していきます。


ケンシン
ケンシン
年月をかけて自然乾燥させた、より粘り強さを増したAD材が、本来持っている強度に関しては、鉄骨材より強いと言われるぐらいの強度があるようです。


このような有力な情報の中で、さらに木材の特徴である加工のやり易さや、取り扱いの良さ、日本の風土に見合った暖かみのある天然素材などといった、価値ある要素を兼ね備えたAD材を使用することにより、建物本体が呼吸できる本来あるべき木の特性を活かした、耐久性ある木造住宅の建築が可能になります。

 

 

但し、こうしたAD材による木材の加工は、木の反りや癖を見分け、変形を想定した加工や使い方などを適材適所に見極め施工することができる、熟練された大工さんでなければできません。

 

 

又その大工さんの手刻みによる技術で、AD材特有のデメリットである木の暴れや、狂いなどの動きを軽減することも可能です。

 

 

しかしこのような内容とは裏腹に、現在の木造住宅は、気密性の高い住宅が多いため、木材も収縮し狂いが生じる可能性がより高なるので、やはり人口乾燥によるKD材を使用した方が、安定した建物が提供できると思います。

 

 

こうした一見誰もが気づきにくい、肝心のない木材の性質や市場の流れを知ることにより、KD材とAD材の根本的な違いを理解しておくことも、これからの大切な家づくりに役立つと思います。