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地鎮祭

建物を建てる前に、ご自身の敷地すなわち土地の神様に挨拶をし、土地の利用の許しを得るという意味合いや、今後の工事の安全と、住まれるご家族やお家の繁栄を神様にお祈りするという意味合いを込めた儀式のことを、地鎮祭又は「とこしづめのまつり」といいます。

 

 

まずはどのような形で、どのような準備をしたら良いのか難しく考える方もいますが、基本的に工務店やハウスメーカーなどの注文建築を請け負う建築関係者に地鎮祭をお願いをする場合は、一般的に地元の神社にいる神主さんに依頼をして、儀式を行うことが多く、ある程度の流れや、マナー、準備しておく物などの説明も予めしてくれるのと、地鎮祭を行うにあたっての設営なども全て任せておけるので、わからないことがあれば相談又は、お任せする方向でも良いとかと思います。

 

 

ですが、やはりご自身のお家、ご自身が神主さんに直接依頼し、地鎮祭を行いたいという場合はやはり一般的な知識をもって地鎮祭を行うにこしたことはないので、最低限分かっておきたいポイントを何点かご紹介しておきます。

建築会社と神社(神主)との事前打ち合わせ 

日時や場所などの確認として、双方の予定も考慮し、1ヵ月前までには日程調整を行い希望日を伝えるようにしたほうがよいでしょう。現実的な日数になるので、より自分の希望日に地鎮祭を行える可能性が高いです。

 

 

【日程の選定】

 

日時に関しては一般的に、六曜(縁起の良いとされる日、縁起の悪いとされる日)から日程を決めることが多く、地鎮祭の場合の縁起の良い順番として、大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅とう順番になり、時間に関しては、いずれも午前中が望ましいです。

 

 

 

1.大安(だいあん)
『大いに安し』といわれ1日中吉で、なに事にも良いとされる日です。

 

 

2.友引(ともびき)
大安の次に良いとされる日で、『友を幸せに引く』といわれ、結婚式などのお祝い事に吉とされてます。それとは逆に、『区事に友を引く』といった意味合いも付加させているため、お葬式には良くない日とされています。
又本来、『何事も勝負がつかない日』としても認知されています。

 

 

3.先勝(さきがち、せんかち、せんしょう)
勝負事や急ぎ事、願掛けなどは吉とされ、大事は午前中に行うのが良いです。又午後から(14時~18時まで)は凶とされています。

 

 

4.先負(さきまけ、せんぶ、せんぷ)
字の通り負けとありますが、凶日ではありません。
午後からは吉となるので、大事で時間のかかる事は、午前中より午後から行うほうが良いでしょう。

 

 

5.赤口(しゃっこう、しゃっく、せきぐち)
赤口においては、字のごとく血や火災などの死を連想させる字柄として、仏滅をも越えるであろうといわれるとても怖い日で、大凶日といっても過言ではない日、と言われてきたようです。大事を行うには凶とされていて、特に祝い事は凶日です。ですが正午(11時~13時まで)だけは吉とされています。

 

 

6.仏滅(ぶつめつ)
『仏も滅びる最悪の日』として、六曜のなかでは最悪の大凶日と言われています。特に祝い事やお祭り事などの大事は避けるべきでしょう。しかし物事の解釈は不思議なもので、仏滅は全ての物が滅びる日、とされていて、また一から事を始めるには縁起が良いと、あえて仏滅にお祝い事(特に結婚式)を選ぶ方もいて、六曜の順番にある仏滅の次の日は大安になるため、午後からは縁起が良い、などと前向きにとらえる場合もあるようです。

 

 

【日時や場所などの確認】


神主さんに依頼する際は、日時を決めるのと同時に、名前や住所、地鎮祭を執り行う場所、誰が参列するのか、又は参列者の人数、用意する物、又誰が用意するのかなどを決めます。

事前準備(前日)

この事前準備の意味合いは、地鎮祭を行うに当たっての設営関係や、儀式に使う必要な道具類と解釈してください。(基本的に、ここで説明する準備物は工務店、ハウスメーカーなどの建築関係者に依頼した場合、先程記述したように、事前準備や設営などはほぼ行ってくれます。※当日に設営する場合もありますが、基本的には、前日に設営しておけば気持ちにゆとりができます。)

 

 

・仮設木杭

四方に笹竹を建てる為の固定用仮杭として使用するもので、設営をスムーズに行うことができます。市販の木杭で長さ1m、太さが45㎝×45㎝で、本数は4本あればよいです。

 

 

・笹竹、忌竹(いみだけ) 

祭壇を囲み、建物の中央付近に長さ約3m~4mまでの大きさで、四方に建てる青竹のことで、土地の不浄を防ぎ、清めるために使います。

 

 

笹竹の形状は、個人的な意見ですが、直径4㎝までのもを選んだほうが良いです。

 

 

あまり太すぎると重量もあり、作業がやり辛くなります。

 

 

次に笹竹の長さですが、これも個人的な意見ですが、地上から約2m~2,1m辺りまでは枝払いをし、笹の葉(竹の枝)をなくし、そこから上部の約1,2m~1,3m位までは元々の笹の葉の先端(原形)が残るようにします。

 

 

この笹竹が4本必要なので、予め地面に横倒しにして、上部先端(笹の葉の先端)より長さを合わせて、追い出し加工をします。

 

 

そうすることで、建てたときのバラツキがなく、綺麗に設営できると思います。

 

 

その設営する笹竹の高さとしては、地面から約3,5mまでのものがベストかと思われます。

 

 

・しめ縄(注連縄)と紙垂(しで)

四方に建てた笹竹の間を、地上から約2m~2,1m辺りの一番下にある竹の枝に、丑寅の方向(北東)の位地にある笹竹から順に、時計回りにくくり付け、少ししめ縄をたるませる程度に四方張り巡らせます。

 

 

紙垂は地鎮祭当日に神主さんが用意してくれていて、四方張り巡らせているしめ縄に、一辺に4垂れずつ付けていきます。

 

 

・砂(盛砂)、鎌(かま)、鍬(くわ)、鋤(すき)

地鎮祭の儀式の中の、地鎮の儀(祭壇近くに作った盛砂の中に鎮め物を納め、工事の安全と、家の繁栄を祈願する一連の作業)の中の、それぞれ3回行う動作の中で使用します。

 

 

砂の量はバケツ3倍程度を目安とし用意します。

 

 

鎌・鍬・鋤に関しては、一般的に神主さんが当日に用意してくれます。

 

 

・テント、椅子

テントの使用ですが、ご家族のみで儀式を行う場合、使用することは少ないのですが、出席する人数や年齢層又は、地鎮祭を行う時期、当日の天候などにより設営します。

 

 

用意や組立、後片付けは面倒ですが、基本的に夏場の暑さ対策や雨もようの場合、非常に役にたちます。

 

 

椅子は小さいお子さんや、高齢者の方に対しての配慮として用意しておけば安心です。

 

 

建築関係者参列の場合は、建築関係者側がテントと椅子を用意してくれます。

 

 

住宅における一般的な地鎮祭の所要時間は、参列者の人数にもより違ってきますが、だいたい30分~40分位が目安になります。

神餞(お供え物)

一般的に盛り付けする三方や、祭壇などは神主さんがほぼ用意してくれます。

 

 

当日の祭壇の向きは南側、若しくは東側になるよう設営します。

 

 

次に神餞(お供え物)の中の、山の幸、海の幸、野の幸に関しては、神主さん、施主様(ご自身)打ち合わせの上、どちら側でご用意されても良いかとおもいます。

 

 

それから、次に上げる神餞(お供え物)の米(一合)、清酒(一升)、塩・水(一合)、に関しては施主様(ご自身)でご用意されることが多いです。

 

 

・山の幸
果物を意味します。(りんご、みかん、バナナ、グループフルーツなど、品数は1品か3品かの奇数で)

 

 

・海の幸 
魚介類を意味します。(鯛が代表的で、尾頭付きを用意、乾物として昆布、スルメ、ワカメなど、品数は1品か3品かの奇数で)

 

 

・野の幸 
季節野菜を意味します。(大根、なすび、きゅうり、人参など、品数は1品か3品かの奇数で)

 

 

・清酒(奉献酒) 
1本でもよいですが、通常2本用意し、熨斗を付け、上段に奉献(奉納)、下段に名前を書き入れます。地鎮祭が終わった後、一本は神主さん(神様)へ渡し、もう一本は、神様からの御下がりとして、施主(ご自身)が持ち帰ります。

神職への謝礼(神社への謝礼)

初穂料又は、玉串料といって神主さんに支払う謝礼金のことで、あくまでお礼として支払うお金のことです。

 

 

渡すタイミングとしては、地鎮祭が始まる前に渡すのが基本です。

 

 

又、御車代が必要な場合は地鎮祭が終わってから、お礼をするタイミングと同時に渡すのがよいでしょう。

 

 

・初穂料の相場

一般的に神社の多くは山の幸、海の幸、野の幸などのお供え物を用意してくれます。品数や物にもよりますが、その場合の相場として4万円~5万円までの謝礼金と考えるのが一般的かと思います。

 

 

又、山の幸、海の幸、野の幸などのお供え物を、施主側(ご自身)又は、建築関係者などが用意した場合は、3万円程の初穂料で良いかと思います。

 

 

それでも金額が気になる方は、神社(社務所)に直接確認することをおすすめします。なぜなら各神社によって金額が決まっている場合があるからです。

 

 

ちなみに、お礼は新札が好ましいのですが、折り目が付いていない綺麗なお礼でも問題はないです。

 

 

・御車代

神主さんの交通費のことで、初穂料とは別に用意しますが、車で10分、15分程度の近場ならいらないでしょう。ですが、タクシーや、遠方から来られる場合などは5千円程度からを目安として、用意しておけばよいでしょう。

 

 

・地鎮祭の服装

一般住宅の場合、特にこれといった決まりはありませが、やはり儀式という意味では、落ち着いた服装で、派手目な物は控えたほうがよいでしょう。

 

 

といったところで、迷われる方も多いと思いますが、一生に一度あるかないかの神前事、迷われるならやはり正装(スーツ姿)で神様をお迎えする方が、地鎮祭に締まりがでます。

 

 

良く『普段着でもいいですよ。』と言われ、そのままうのみにされる方もいるみたいですが、建築関係者側の本音とすると、やはり主役はあなた、正装に近い服装にこしたことはなく、スーツが好ましいと思います。

 

 

ちなみに、当日の建築関係者の服装は設計、営業他に関しては正装(スーツ)、現場監督は制服(作業服)というあらたまった格好で参列することが一般的です。

地鎮祭終了後

滞りなく儀式が終わった後は、家族や親戚の方などと、写真撮影を行うのが一般的で、その後に、儀式の中の地鎮の儀で埋設された鎮め物を神主さんから頂きます。

 

 

ただこの鎮め物ですが、この後の続きに行われていく基礎工事の際に、施工業者さん(建築関係者)に基礎の下に埋めてもらう為に頂くもので、もし地鎮祭に施工業者さんが参加している場合は、忘れないように鎮め物を渡しておくと良いでしょう。

 

 

その後、後片付けを終了したら、ご近所さんへ挨拶まわりを行うというのが、一般的な地鎮祭の一連の流れになるかと思います。

 

 

・鎮め物

神主さんから頂いた鎮め物を、基礎の下に埋める意味は、工事完成後にこれから暮らしていくご家庭に平安と幸福をもたらすことを願う意味と、特に工事関係者は気にすることですが、この後の工事が完成するまで無事に怪我や事故がないように、工事の安全を祈念するという意味が込められています。

 

 

ちなみに中身は、神様からのプレゼントみたいなので忘れないように埋めてもらうようにしましょう。

 

 

・挨拶まわり

ご自身で挨拶まわりを行うにしろ、施工業者(建築関係者)と同行して行うにしろ、地鎮祭が終わった後のタイミングで挨拶まわりを行うのがベストです。

 

 

特に知らない土地に建築する場合などは、施工業者(建築関係者)に同行してもらうほうが、工事の案内やお願い事、日程など詳しく説明し挨拶文として書面で渡してくれるため、安心で心強いかと思います。

 

 

又、その時に持参する粗品(手土産)ですが、値段は500円~1000円までの物で十分で、日もちするお菓子や、クオカード、ハンドタオルなどが一般的です。

 

 

ちなみに建築関係者などは、一番安くて無難なタオルや洗剤を渡すことが多いです。

 

 

・最後に

今では、大々的には行われなくなった地鎮祭ですが、やはり神主さんには祈祷を依頼して、ご自身がこれからお世話になる土地の神様に、工事の安全と今後住むにおいての挨拶と祈念は大切な行いであり、何より気持ちの面でスッキリとした家造りのスタートができるはずです。

 

 

一生に一度あるかないかの地鎮祭、意外と楽しい良い思い出になりますよ。

 

 

このような流れを設けることにより、初めて家を建てるという▶本格的な工事を気持ちよく着手することができます。