基礎着工前に縄張りや丁張りを現地で確認してほしい理由【前編】
基礎着工前に縄張りや丁張りを現地で確認してほしい理由【前編】
以前ご紹介した縄張りや、丁張り掛けという作業は、本来、元請けである工務店や、ハウスメーカーなどの現場監督若しくは、その工事を担当する大工さん(職長さん)などで作業を行い、図面を現場に反映することにより、確段にこれから施工する内容が頭に入り、工事のイメージがつかめます。
これは、私自信が体現しているからです。
ただ最近の住宅における新築工事の傾向は、ローコストで技術的な部分も単純化しているため、ある程度知識があれば起業し、個人で商売している人も少なくはなく、大きくも小さくも色々な建築会社がたくさん存在します。
その中の基礎工事業者さん達から良く聞く話があります。
起業して間もない建築会社や個人企業、営業主体の建築会社、異様に現場監督に若い子が多い建築会社、不動産経由の紹介物件などは、基準となる丁張り掛けを元請け会社(建築会社)が行わず、下請け業者である基礎工事会社に図面を渡し、全て基礎工事を任せるという進め方を行っていることが大半です。
別にこの進め方は一般的に工務店やハウスメーカーでも同じように、全てを任せてその上で日々の現場管理を行い、間違いがないかチェックしていくものなので、何も問題はないのですが、問題視するのはその部分ではなく、本来の現場管理が出来ているか、出来ていないかという所に問題があります。
私も、もちろんよその畑が気になることもあるので、どのような現場管理を行っているのか顔見知りの基礎工事業者さんたちに話を聞くこともあります。
しかし、聞きたい答えが返ってくる以前の問題が一般的なようで、このような返答が多いです。『元請け会社の担当者なんか全く現場に来ませんよ』と。
どういうことか、単純な話です、現場の進捗状況や目視による現場確認に来ないのです。
しかし、それ以前のひどい話として、まず丁張りが掛けれない、基礎工事というものを何となく分かっているだけ、逆にどのような工程になるのか職人さん任せに進捗が進んで行く。
などの下請け業者にとって都合の良い、YESマンが多いことが現状あるようで、その力量不足による実態こそが現場巡回できない理由の一つとして挙げられるのではないかと思ってしまいます。
唯一現場に顔を出すポイントとしては、瑕疵担保の義務化などによる、基礎工事の中の鉄筋検査の立ち会いぐらいだそうです。
この検査は義務なので立ち会いをして当たり前なので、検査員はもちろんのこと、下請け業者の職長さん(技術者など)を鉄筋検査に立ち会わすことにより、現場担当者に知識がなくても検査は成立し、合格するようになります。
ですから基礎工事業者さんから見ても、明らかに現場管理などという業務体制で現場を進めているのではなく、下請け業者にとって指摘や指示などがない、やりっぱなしの都合の良い現場状況でしかないことが多くなっていることが大半なようです。