③屋根工事~外壁ラス工事までの流れ【外壁左官塗り仕上げの場合】
屋根工事~外壁ラス工事までの流れ【外壁左官塗り仕上げの場合】
③ 続いて屋根工事~外壁左官塗りの場合による外壁ラス張り完了までの工事内容のポイントと工期を、三段階目として詳しくまとめてみました。
まず屋根工事の内容として、一般的に屋根葺きの工事のタイミングは、木工事による屋根仕舞い完了までの作業、すなわち軒先廻りの鼻隠し材や、破風材の取付けが完了したあとに、木工事と平行して行っていきます。
【木工事:けらば側 杉破風下地及び耐火破風取付け施工状況】
屋根の形状としては、寄棟屋根・切妻屋根・入母屋屋根・方形屋根・片流れ屋根・差し掛け屋根・陸屋根などがあります。
※切妻屋根による施工事例になります。
【屋根工事:平板瓦葺き施工状況】
又屋根材の素材として大きく分けると、粘土瓦・セメント瓦・ガルバリウム鋼鈑・トタン・銅板・スレート・アスファルトシングルなどの種類に分かれます。
このように屋根の形状や材料により、工期にはかなりの開きがありますが、今回の工事の流れを紹介するにあたり、別ページ▶(①地盤調査から先行足場組立までの流れ)参照による35坪前後の木造住宅を対象とした中で、2階の大屋根のみの切妻屋根や寄棟屋根、片流れ屋根などの単純な屋根葺き作業でかつ、屋根材料を今主流のガルバリウム鋼鈑や、スレート瓦などで施工を行った場合、約3日~4日間程度で作業は完了します。
逆に瓦葺きによる変則的な寄棟屋根や切妻屋根、又は下屋などの役物が多い建物などは、やはり一週間以上の作業日数が必要になってくることが多いです。
ちなみに35坪前後の住宅では特に最近見かけることのない、入母屋屋根の瓦葺き作業になってくると、技術力も作業量も多くなってくるので、約2週間程度の日数が必要になってくるかと思います。
次に引続き木工事による外部の軒裏の仕上工事を行います。
この作業は軒裏に木下地を造作して、難熱材料などの軽量で燃えにくい商品を選定して、張付け仕上げていくことが一般的です。
最近ではケラバや軒の出が短くなりましたが、最低でも3日~4日間程度の作業日数が必要になります。
次に左官塗りで外壁を仕上げることになった場合に必要となる工事が、引き続きによる木工事でのラス地張りという作業を行っていきます。
外壁の通気材の上に、ラス地と呼ばれる木の下地材を張付けていきます。
外壁廻りに出入りが少なく役物が多くなければ、約5日間程度の日数で作業は完了します。
【木工事:外壁ラス地張り施工状況】
次にそのラス地張りの上に、一般的に外壁材にクラックが生じた際に、雨水の侵入を防止するためのアスファルトフェルトと呼ばれる防水機能を兼ねたシートを張付けます。
【ラス工事:外壁ラミテクトフェルト張り施工状況】
次にラスという呼び名の、細い針金を金網のようにネット状にしたものを、アスファルトフェルトの上に張付け、外壁のラス下地へ又釘で打ち付け、外壁に取付けていきます。
【ラス工事:ダブルラス張り施工状況】
ラス材料の種類もたくさんあり、メタルラス・ダブルラス・波ラス・リブラス・通気ラスなど、それぞれの用途により使用する材料は異なります。
基本的に、現在の木造住宅の在来軸組工法で、外壁モルタル塗りのラス張り工事に使用する材料は、メタルラスが主流になっているようですが、
その単純な理由として、力骨がメタルラスを浮かしてくれるため、しっかりとモルタルをメタルラスに絡めて塗り込めることにより、良質な塗り厚を確保できてかつ、力骨をしっかり又釘で本打ちして固定することができるため、ラス事態の引っ張り強度も上がるので、後々の外壁の剥離やクラックなどによるトラブルを軽減することができます。
このようなあまり知られていないラス工事ですが、アスファルトフェルト張り~ラス工事の施工完了まで、約1週間前後の日数が必要になります。