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水廻りの設計について

水廻りの設計について

基本ベースになる計画プランの考え方として、水廻りの配置はある程度北側の外壁寄りへまとめながら、なるべく外廻りの汚水桝までの配管距離を短く計画することにより、コスト面が安価で、メンテナンスを行う上でも有利になり、経年と共に使用していく建物にとって安心の持てる配置になり、トラブルも少なくなります。

 

 

逆に言うと極端な例ですが、水廻りの空間をバラバラに配置したり、建物床下内部への配管距離が長くなったり、又それに伴い建物床下内部の配管に90°や45°などの曲がり部材の配管が多くなるなどの計画は、住む人の生活環境や使い方により、配管の詰まりなどによるトラブルやリスクが上がるため、極力避けるようにします。

 

 

このような見えないトラブルのリスクを下げるための知識として、前述に述べた内容も考慮した上で、敷地内に元々ほぼ引き込まれている、最終汚水桝の設置位置と、計画プランにより不可能が生じる場合もありますが、基本的にその最終桝が一番水下の基準となり、生活の中で使用した全ての汚水を最終桝へ流し、その最終桝から道路の下を走る下水道本管へと放流するので、単純に汚物の排出が一番多いトイレの場所を、最終桝の一番近い位置へ配置できれば理想です

 

ケンシン
ケンシン
すなわちトイレの配置と、外部配管ルートの接続は一番水下側で行い、次に大量の水を排出する浴室を一番水上側の外部配管ルートへ接続が可能になるよう計画を行うと、不要になった浴槽の水をほぼ毎日のように、水上側から大量に放流できるので、それにより水下側の外部埋設配管は綺麗に洗浄できるという嬉しいメリットが必然的に付いてきます。

 

もし平面プランを計画する際に、浴室・洗面化粧台・キッチン・トイレの水廻りの配置を上手く計画することができれば、プランにより少しの配管ルートになるかもしれませんが、自動的に配管内部の洗浄機能も取り入れることができて、安心感もセットで取り入れることができるので、この水上側と水下側の水廻りの配置関係による少しのメリットも視野に入れながら、平面プランを検討することにより、見えない効率の良い機能が発生するということを覚えておきましょう。

 

 

但し、ご自身が求めた最高の計画プランが、リスクを負う水廻りの配置や配管工事になったとしても、施工技術により、配管勾配の設定や、配管の口径を大きくするなどの予防工事は視野に入れ行うので大丈夫なのですが、着眼する意味合いはそこではなく、やはり何事にも不可をかけずに、今前述に上げた水廻りの配置によるメリットなどもその一つなので、メンテナンスやそれぞれの機能にも配慮がとれた家造りの知識を知った上で、それぞれ個人の感性により、優先順位を決めて計画プランを決定することにこだわりを持つことが大切だと思います。