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家を建てるのにロフトは必要?メリット・デメリット

まずロフトとは、2階の子供部屋などを勾配天井にした、小屋裏部分の大きなデットスペースを上手く利用した空間になります。

 

 

屋根裏部屋と少し似たような印象はありますが、屋根裏部屋は屋根裏にある孤立した部屋で、一方ロフトは、その設けたロフトから、その下にある子供部屋が見渡せるような、同一空間となります。

 

 

 

そのような用途多彩で、根強い人気のあるロフトですが、造り方を一歩間違うと3階建になってしまい、構造計算や消防法、排煙計画などと、さらに厳しい法規制にかかってしまいます。

 

 

そこで先に、ロフトを造る際の法的な規定を、大きく3つご紹介します。

 

 

まず1つ目が、制限として一番窮屈と感じるであろう、天井高さの規定で、基本的に天井高さが1,4mを超えるロフトは、床面積にカウントされ、階数にも入るため、税金の対象になってしまいます。

 

 

ロフトを造るなら、天井高さ1,4m以下のロフトを計画し設けなければいけません。

 

 

続いて2つ目が、ロフトの床面積に関してですが、ロフトを設ける部屋の、2分の1未満でロフトを設けなければいけません。

 

 

3つ目が、ロフトを設けた部屋の床面積が、8分の1を超えた場合、各階の壁量を増やさなければならないという規定もあります。

 

 

 

 

 

では、この3つの規定を取り入れた例を挙げてみます。

 

 

2階の床面積20m2の部屋にロフトを設けようとした場合、天井高さは1,4m以下で、床面積は10m2よりも小さくしないといけません。

 

 

しかし、床面積が2,5m2を超えた場合は、1階と2階のそれぞれに壁量を増やさなければならない、という単純な規定からロフト空間をイメージすることができます。

 

 

実際は各自治体により、もう少し細かい規定もあるようですが、ある程度この3つの知識を把握しておけば、特に大きな弊害はなく計画していけるでしょう。

 

 

それでは、ロフトのメリット・デメリットを取り上げていきたいと思います。

ロフトのメリット

ケンシン
ケンシン
ロフトのメリットとは



・建坪が比較的小さい家には、収納スペースや寝床として、有利に活用できる空間ができる。 

・ロフトはもちろん規定を厳守することで、固定資産税の課税対象面積に含まれない上、上手くロフトスペースを利用することで、実際に3階建よりもかなりお得感があり活用できる。

・ロフトスペースが上部へ繋がることにより、おしゃれで、より空間を広く感じさせることができる。  

・ロフトの配置は、特にリビングや吹き抜け、スキップフロアーとの相性が良いので、設計プランによりスタイリッシュで、よりおしゃれな空間を構築できる要素を持っている。
                           
・一般的に割高で工事費が高い、と言われているロフトですが、屋根下地施工での断熱機能を確保することで、ロフトのデメリットになる、暑さと寒さを軽減できるため、ロフトスペースを書斎や寝床などの用途にした場合、少し割高にはなりますが、もとめる空間を追求した上で取り入れるなら、比較的安価な金額といえる。

・子供なら、高さといい大きさといい、まさにあそべる楽しい空間になる。

ロフトのデメリット

ケンシン
ケンシン
ロフトのデメリットとは



・はしごの昇り降りの際に、転落・墜落の可能があるため注意が必要になる。

・天井高さが低いため、部屋などの用途として使用する際は、しゃがんでの移動や、頭を打つこともあったりと、圧迫感があり使い勝手が悪い。

・ロフトの用途を収納とした場合、ロフトからの出し入れを考えて収納しないと、使い勝手が悪く物が入れっぱなしの状態となり、使用しなくなる傾向が高くなる。

・メリットにも挙げましたが、屋根下地施工での断熱機能をしっかりと確保しないと、天井が屋根裏直下になるため、夏は屋根からの熱を呼び込み熱がこもり、冬は冷気を呼び込み寒さを落とし込んでしまうという、最悪の環境になってしまう。



まとめとして、このようにメリット、デメリットをご紹介しましたが、ロフトを使用するための用途を明確にして、ロフトを設けた場合は、普通にメリットがデメリットを上回るように私は思います。

ケンシン
ケンシン
なぜなら、家を建てることへのコンセプトに繋がる、屋根下地からの屋根断熱工事に重きを置くことで、特にネックとなる、小屋裏ロフトへの熱環境の緩和を図ることができると、高さ1.4m以下の窮屈な制限はあるものの、ロフトの形状や設け方により、面白味のある、開放的で居心地の良い空間を生みだすことが可能になるからです。


又、デメリットで一番気を付けたい部分は、はしごの昇り降りになります。

 

 

ロフト専用の手摺付きはしごを設け、しっかりと固定し、安全に使用することが前提になります。

 

 

後々になってロフトを設けたいなどの話は、構造的な部分も干渉してくるため、少し非現実的な話になるので、これから家を建てる方でロフトを設けるか設けないかで迷っている方は、おもいきってロフトを検討してみてはいかがでしょうか。

 

(但し、設計プランはもちろんのこと、▶屋根断熱工事に重きを置き、熱環境の緩和を図れることを前提としてください。)