プロの現役建築士がこれだけは必ず知ってほしい情報を全て公開します!
 
 
 
 

長持ちさせたいウッドデッキ!

ウッドデッキの特徴

外構工事の定番として、建物の室内空間から外部へ延長しているような、開放的な木製の床組として人気の高いウッドデッキですが、設置する場所や使い方、又は維持メンテナンスを定期的に行うことにより、かなり重宝できるスペースが確保できます。

 

 

 

まずウッドデッキの取付けといえば、雨ざらしになる外部への取付けが一般的となり、維持メンテナンスを行っていても、経年による劣化や色褪せにより、材料自体の消耗は避けれません。

 

 

そこで今回は、ウッドデッキに適した代表的な材料と、長持ちする維持メンテナンスの方法を、メリット・デメリットを交えながら下記にてご紹介していきたいと思います。

 

 

  国産の桧材、若しくは杉材を使用した防腐薬剤を加圧注入したもので、さらに取付け前の塗装工事による、デッキ材表面に外部用保護塗料を塗布することにより、さらに耐久性を確保することができます。

 

 

又もともと桧材は耐久性があり、外部に使用するにおいては適材になります。


ケンシン
ケンシン
一方杉材に関しては、桧材と比較すると、外部に適した材料ではありませんが、防腐薬剤を注入するにおいて、柔らかく浸透性のある木材なので、注入材としては、桧材よりも適した材料と言えます。


そんな桧材若しくは、杉材による注入材の耐用年数ですが、約2~3年に一度は表面を外部用保護塗料でメンテナンスを行うとした場合の目安として、約15年以上の防虫・防腐性、耐久・耐水性を保持し、期待することができると思います。

 

 

 

 ウリンやイペ、セランガンバツと呼ばれる南米系の材料で、それぞれ表面の色合いは赤茶色で特徴があり、耐久性や強度に関しても、国産の桧や杉などのソフトウッドより強く、倍以上の比重があり、特にその中でも高品質と高級感のあるイペはお勧めの材料で、鉄のように硬いと表現されることから、アイアンウッドとも呼ばれています。

 

 

外材のハードウッドによる耐用年数は、無塗装で約15年~20年程度を目安として、防虫・防腐性、耐久・耐水性にも安定性があり非常に長持ちする材料になります。

 

 

又経年により紫外線を浴びることで、シルバーグレーに変色していくことも一つの特徴になります。

 

 

デメリットとしては、木の反りや、ひねりなどの欠点はあまり無いのですが、経年によるひび割れや、ささくれが起きるため、特に堅木によるささくれは怪我の原因となるので、定期的なデッキ材の表面研磨によるメンテナンス作業が必要になります。

 

 

その他の代表的な外材として、サイプレスやイタウバフェイラ、アンジェリーナなどのハードウッドがありますが、価格に関しては安価で買えるソフトウッドとは違い、どれも重厚感があり高価な商品になります。

 

 

ハードウッドで一番安価になる商品が、アンジェリーナ若しくはイタウバフェイラで、一番高価になる商品がイペと言われています。

 

 

 

③  人工木材(樹脂デッキ)とは、樹脂(プラスチック)と木の粉を主原料とした複合材料になります。

 

 

人工木材のメリットとしては、経年による反りやささくれ、割れなどが発生しないので、裸足でも安心して活用ができます。

 

ケンシン
ケンシン
又経年による腐食や虫害を受けにくいので、天然木材を使用するデッキ材料とは違い、メンテナンスに費用がかからないことが最大のメリットになります。


デメリットとしては、やはり温度や湿度による外的要因に対して、商品の伸縮や反り、膨張などが生じやすい傾向にあるので、そのような材料の特性を考慮し、材料同士に適切な隙間を設けるなどの施工が必要になります。

 

 

暑さ対策としても、基本的にプラスチック樹脂が主材になるため、床板も高温になりやすいので、ウレタン樹脂などの熱を吸収しやすい素材を選定することより、夏場の日差しによる、床板の高温防止に少しは対応することができます。

 

 

又天然木材の場合、メンテナンスを行いながら材料独特の風合いを楽しむことができるのですが、人工木材の場合、経年による紫外線の影響により、色褪せや樹脂表面の劣化に伴い、白い粉が吹いてくる場合があるので、美観を損なう傾向がでてきます。

 

 

耐用年数としては、7~8年程度の商品なのでしょうが、特に美観を気にしないのであれば、商品自体は15年以上の耐久性を保持することが可能になります。

 

 

 

④  桧やヒバなどの、外部に適したソフトウッドで且つ、外部用保護塗料を塗布して設置を行ったウッドデッキになります。

 

 

2年に1回程度は、定期的なメンテナンス塗装を行う必要があり、さらに後施工によりウッドデッキ上部へ上屋を設けることにより、雨ざらし状態を防ぐことができるので、ウッドデッキの寿命をより伸ばすことができます。

 

 

又その上屋に物干しを取付け洗濯物を干すスペースを設けることにより、物干しスペースなどの多様化を図ることもできます。

 

 

 

⑤  まとめとして、このように大きく4つに分類する内容となりましたが、それぞれに思い描くウッドデッキの大きさやイメージ、風合いや質感など、求めているものはさまざまになると思いますが、より知識を得ることにより、又使用する材料一つ一つにこだわりを持つことにより、ご自身の求める理想的な空間が築けると思います。

 

 

それと最後に注意書きとして、あまり執着や目的のないウッドデッキの取付けは避けた方がいいです。

 

 

避ける大きな理由として特にひどい場合は、使用しなくなりメンテナンスを行わなくなったウッドデッキは、シロアリの誘発により建物周辺に被害を及ぼす可能性が出ることと、経年による腐食などにより大半が美観を損ねている場合があるからです。

 

 

 

できるだけ設置する目的と、必要性のあるウッドデッキの計画を検討するようにしましょう。