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真似したくなる!新築のおしゃれな内装とは

それぞれの家のおしゃれ度も、自身が身につけてるファッションと同じく、人それぞれの好みにより、まったく違った空間をイメージすると思います。

 

 

代表的となる内観イメージとしては、 和風調 ・ モダン調 ・ 和モダン調 ・ アジアン調 ・ ナチュラル調 ・ アンティーク調 ・ クラシック調 ・ 西海岸調 ・ ヨーロピアン調 ・ アメリカン調 ・ アフリカン調 ・ フレンチカントリー調 ・ アーバン調 ・ ブルックリン調など、好みの空間をイメージするにおいて、たくさんの個性ある素敵な空間が演出できると思います。

 

 

今回は一般的知識とはなりますが、私なりのおしゃれと感じる内装仕上げのポイントを、ご紹介したいと思います。

家具の色合いや素材感を、ある程度統一化させることに意識をおく

 室内空間のイメージは、テレビや雑誌などによる媒体から、さまざまな情報を得ることにより、あれもこれもと情報を欲張ることで、特に建築工事完成後の、家具関連の設置に伴い、せっかくの空間がアンバランスになることがでてきます。

 

 

建築工事ですでに仕上がっている、壁や天井の色合いと素材感をもとに、特に施工された床材と、内装建具への色合いや素材感に意識をおきながら、より近い色合いと素材感の家具を揃えることにより、まとまりがでてきます。

床材の選定にこだわる

 この項目は建築計画中や、工事中の話になりますが、住宅に使用している床材は、その家の大半以上のイメージを象徴する部位となり、後々おしゃれに拍車の掛けれる、以外と重要視しないといけない材料でもあります。

 

 

そのような床材ですが、▶無垢の床材一般的使用率の多いフロアーと言われる表面が木目調などの工業製品の床材と、大きくこの2種類に分けることがでます。

 

 

そのフロアーと言われる工業製品に関しては、各社メーカーにより、素材や質感、柄や色目など、おしゃれでバリエーション豊富な商材として、建築現場に施工されてます。

 

 

よく『おしゃれは足元から』と言いますが、住宅においても同じような事がいえると思います。

 

       

内装建具の選定にこだわる

 内装建具とは、室内におけるドアや片引き戸、引き違い戸のことをいいます。

 

 

そんな内装建具ですが、色合いや大きさ、デザイン性などにより室内に与える印象はかなり違ってきます。

 

  

 

ではどのように違ってくるのか、まずは建具の色合いとして、例えば、天井と壁をホワイトカラーをベースとしたクロスで、床が彩度の高い光沢のある濃い茶色系のフロアーなどを選定した場合、上図のように、建具自体を床の色合いに合わせるのではなく、壁と同系色のホワイトカラーを選定するか、下図のように床よりも薄い色合いの建具で選び、建具の存在感を抑えるすことで圧迫感を軽減し、おしゃれ度を増すことができます。

 

 

 

 

 

反対に、下図のような薄い色合いのフロアーなら、ダーク系の茶色などをベースに建具を選定すると、逆に建具そのものが自然と引き立ちます。

 

 

 

 

 

又無垢材に関しては、節や赤身、木目のある賑やかな床板でも、白木の色合いが入っている床仕上がりなら、床材の持つ要素と存在感により、空間が引き立つので、ダーク系の茶色や、床材と同系色のナチュラルな建具のどちらを選定しても、うまく空間を演出することができます。

 

 

好みの組み合わせにより、建具の存在感を出さないも良し、出すも良しとした中で、床材の色と建具の色の兼ね合いには、必ず重きを置き決定するようにしましょう。

 

 

次に大きさと、デザインに関してですが、大きさに関しては、やはり標準高さ2mの建具より、ハイドアと呼ばれる2,2m以上の建具を選定し、天井高さと同じにすることで、より差別化を図れるスタイリッシュな空間に仕上がります。

 

 

しかし、ハイドアへの要望を伝えない限り、あまり進んで提案されるようなことは少ないと思います。

 

 

又、デザインに関しては、シンプルな建具をベースに、統一化して取付けるようにすると、まとまりある空間を演出することができます。

 

 

例えば同じ空間で、統一性に欠けた建具の組み合わせを取り挙げてみると。

 

 

ケンシン
ケンシン
・ アーチ型のガラスと、四角いガラスの入った建具を、同じ空間にそれぞれ取り入れた場合。

・ 建具の上半分に正方形のガラスが入った建具と、建具の上から下までに縦長のスリットガラスが数本入っているような建具又は、建具の上・中央・下に横長のスリットガラスがそれぞれ配列された建具を、同じ空間へそれぞれ取り入れた場合。

・ 建具表面をフラット形状とした建具と、框組により建具表面に堀り込みが入った異なるデザインを、同じ空間へそれぞれ取り入れた場合。

・ 建具表面の面材を木目調のデザインにした時に、木目の柄が『このドアは縦方向の木目柄』、『その隣のドアは横方向の木目柄』と、選んだ建具の木目柄にそれぞれ統一性がない場合。

 

 

など、建具それぞれには独自の味わいがあるのですが、それらの建具を配列するにおいては、どの場合も統一性がなく、アンバランスな印象が出てくることがわかります。

 

【建具のデザインに統一性が無いため少しアンバランスな印象を与えます。】

 

 

 

 

ケンシン
ケンシン
LDKなどのメインとなる入り口には、個性ある独自の建具を選定することがポイントにはなりますが、そのメインとなる建具を引き立たせる要素が、その取り巻きである、それぞれ統一化を意識した建具の選定になるので、建具のデザインをあれもこれもと欲張らず、ある程度まとめ上げたシンプルな建具に絞り込むことが、おしゃれを彩るベースになることを意識しましょう。

    

※但し、同一空間ではない、脱衣室や洗面所、トイレやパントリーなどの水廻り部分については、少し例外にはなります。 

色合いの中にコントラストを取り入れ、強めのアクセントを出す

例えば、一般的なベーシックモダン調を、コンセプトとしてLDKの内観に取り入れた場合、天井や壁を白色ベースのクロスにして、床は茶系のダーク色を取り入れ、その他の家具を黒色や焦げ茶色などの取り巻きにより、ある程度空間を統一させたとき、何となく無難で綺麗な色合いにはなると思いますが、何かその空間の中に、物足りなさを感じた場合などは、思いきって何か大きな家具や、設備機器などにまったく違った色合いの物をもってくると、逆にその空間の中に渋さと味わいが出ます。

 

 

但し、今例えた白と黒と茶色ベースの空間に、全く違う明るいめの青色や緑色のキッチンやソファーを持ってくという意味合いではなく、その空間に外れている真逆の色でも、色のトーンを合わすことにより、同調性が生まれるという意味合いです。

 

 

ケンシン
ケンシン
例えばソファーの色を、ヴィンテージ風の浅く色褪せたデニム調の青色、又は同じく浅く色褪せたグリーン色に対して、ソファー本体のフレームや足は、黒や焦げ茶色などとした場合、フレームや足をその現状の空間に取り入れている色合いに合わせることにより、確実にソファーをその空間の中に、より良く馴染ますことができます。


ポイントとしては、室内空間に合いそうにない青色や緑色を、あえてデニム調の質感で且つ、色褪せたヴィンテージ風の柄へと表面上変化させ表現する所です。

 

          

 

 

 

 

又、対面キッチンなども、インパクトを与えるにおいて、まさに室内空間を魅了できる商品と言えるので、新築やリフォームのキッチンの選択は、室内空間のイメージにまで配慮を持ってキッチンの選定を行うことが良いでしょう。

 

 

キッチンに関してのカラーは、ベーシックな白や黒、ウッド調の茶色系などが、室内空間に合わせやすく無難にはなります。

 

   

 

 

 

 

しかし、キッチンこそ設備機器において、一番高価な商品になると思うので、キッチンを選ぶ際には、少し自分の思いをこの色やこの形で表現したい、又はデザインや使い勝手を最優先に、商品に惚れ込むことがあった場合は、少し室内空間に違和感があると感じても、惚れ込んだ商品を購入し、取り付けを行い、室内空間に自己満足感を取り入れても良いでしょう。

 

 

ケンシン
ケンシン
その理由として、実は私自身もキッチンの選定にはすごく悩んだ記憶があり、ソファーの例に挙げたような、統一された室内空間に真逆となるような色合いのキッチンと、室内空間に馴染む無難なキッチンとの対照的な選択をしたからです。 


 

今では、ソファーを例に挙げたような、室内空間に少し個性あるインパクトを持ったキッチンを選択していた方が、よりコントラストが増し、よりおしゃれな空間が演出できたように思います。

アクセント壁を設ける  

 建築工事中に、一般的仕上げとして行う、内装クロス貼りの工事ですが、やはり壁や天井のベースとなるカラーは、明るくクリーンで部屋を広く見せることができる、ホワイトカラーやアイボリーカラーがベターになります。

 

 

ホワイトカラーや、アイボリーカラーのクロスは、キッチンや冷蔵庫、ソファーやテレビなど、その他の家具を設置するにおいて、一番自然な空間を演出できて、設置する商品を引き立たせることができるカラーともいえます。

 

ケンシン
ケンシン
しかし、設置するキッチンや家具類などを、無難な形状や色合いで選択することにより、壁や天井をホワイト系の同系色のクロスでまとめてしまうと単調な印象にはなりがちです。


 

そのような場合、違う素材の壁材や、色の違うクロスを、アクセントとして貼ることで、空間がより際立ちます。

 

 

そこで、最近では当たり前に行われている、アクセントクロスの貼り方のポイントとして、参考にしてもらいたい彩度のバランスと明度のバランスを紹介したいと思います。

 

ケンシン
ケンシン
ちなみに彩度とは、色の鮮やかさの度合いと示すものであり、明瞭な色は彩度が高く、くすんだ色は彩度が低いと表現します。例えば、蛍光色などの混り気のない鮮やかな色を、彩度が高いと表現し、一方混り気があり落ち着いた暗い色を、彩度が低いと表現し、灰色や黒や白などは無彩色となります。
又明度とは、色の明るさの度合いを示すものであり、明るい色ほど明度が高く、暗い色ほど明度が低いと表現します。例えば、明度100%が白色に対して、0%が黒色という表現になります。

 

基本的感覚として、アクセントクロスをワンポイント空間に取り入れるのですが、LDKなどの広い居室に関しては、2種類までのクロスの貼り合わせを視野に入れ行い、そのアクセントクロスの割合も、壁ならその居室の30%程度までに抑える位の感覚で検討すると、より締まりある空間に変わると思います。

 

 

例えば、LDKの壁が4面あるなら、その一番視界に入りやすい、TVボードやソファーを配置する、背面側の1面だけにアクセントクロスを採用するといった感じです。

 

 

ですが、アクセントといっても、LDKなどの家の中の一番広い空間には、白に黒といった組み合わせは、少しコントラストが強くなるため、濃い目の色の存在感が強く出てしまいます。

 

 

そこで、少し緩和した組み合わせとなる色が、白やライトグレー、白と少し濃い目のベージュ、若しくはライトブラウンになります。

 

   

 

ここでポイントになる部分は、アクセントとなる片方の色を、濃いめの彩度で落とすことにより、しっくりと空間に馴染んだコントラストが演出できるようになります。

 

 

逆に、居室以外のトイレやWICなどに関しては、遊び心を持った全く違った色合いのクロスを組み合わせみることで、家の中の一部分に面白い空間を演出することができます。

 

 

 

但し、先ほど説明したように、白と黒や白とダークブラウンなどの、コントラストの強い組み合わせは、濃い目のアクセントクロスの面積を広くしてしまうと、圧迫感が出やすくなるので、少し注意する必要があります。

 

 

又、天井に関しては、もちろん暗い色合いのクロスより、明るいクロスの方が、部屋の大きさが広く、天井も高く感じます。

 

 

しかし下図のように、色の彩度と明度を上手く調整することにより、天井と壁のクロスを貼り分けて、逆に天井に濃い目のクロスを貼り、壁にホワイト系のカラーのクロスを貼ることも、色の組み合わせ次第により、おしゃれな貼り合わせに変わってしまいます。

 

 

 

このように、壁や天井のアクセントクロスを、彩度と明度の組み合わせにより、部分的にさりげなく設けることにより、室内空間をよりおしゃれに演出することができます。                           

天井廻り縁と、床布木の存在感を無くす

 聞き慣れない建築用語が出てきたので、まずその用語を説明したいと思います。

 

 

ケンシン
ケンシン

廻り縁とは・・・壁と天井のジョイントとなる、直角になった部分に取り付ける、見切り部材を言います。

 

一般的には、室内建具や、サッシの窓枠、床巾木と同系色の色に合わせて取付けを行います。

 

廻り縁の役割としては、意匠的な部分の中に、壁ボードと天井ボードの張り合わせによる施工仕上げの向上と、クロス貼り仕上げによる、壁と天井の貼り分けや、経年により起きる、壁と天井とのジョイント部分のクラック(割れ)と同じように起きるであろう、クロスの引き裂きを防ぐために取付けを行います。

 

 

巾木とは・・・床と壁のジョイントとなる、直角になった部分に取付ける見切り部材を言います。

 

巾木の役割としては、廻り縁と同じように、意匠的な部分と、床と壁ボードとの張り合わせによる施工仕上げの向上と、掃除機やモップなどを使用した際の、壁への保護部材として、取付ける意味合いがあります。

 



上部の横ラインの部材廻り縁といい、下部の少し高さのある横ラインの部材を巾木といいます。

 

 

このように、どちらも取付けを行う意味はあるのですが、やはり日常生活を考えると、壁へのダメージを保護する役割がある巾木に関しては、取付けを行う必要性があります。

 

 

そのような機能を持つ、廻り縁と巾木ですが、意匠的には、上下の横ラインとして空間に出てくるので、床や建具、壁や天井の色合いなどにより、その取付けた横ラインが、しつこく感じることがあります。

 

 

では、どうすればしつこくなくなるのか、まず巾木なら床か室内建具に近い色目に合わすことで空間に締まりが出ます。

 

 

 

 

 

ですが、中にはとてもダークな色合いの床材を選定する方もいるので、そのような場合は、逆に床材に合わせてしまうと巾木がより存在感を現し、鬱陶しく感じてしまうので、背丈の低い巾木にするか、壁の色合いに合わせた方が調和が持てます。

 

 

又、基本的に巾木の背丈は、上図のような60㎜程度の高さが一般的になりますが、その数字より低い巾木を選定し取付けた方が、足元がより軽くスッキリと見えるようになります。

 

 

 

 

ケンシン
ケンシン
次に天井ラインの廻り縁ですが、このラインに関しては私個人的には、スッキリとしない印象があり、美観を損なっていると感じているため、廻り縁は取付ける必要はないと思っています。

機能的に取付けを行う場合は、もし壁と天井のクロスがホワイト系なら、もちろんそのホワイト系の廻り縁を取付け、廻り縁の存在を無くすようにすると、まだすっきりとした空間にはなります。

 

 

 

 

 

やはり、下地の取付け精度を上げて、廻り縁取付け無しでのクロス仕上げにするだけで、天井がすっきりとして、自然とおしゃれな空間を演出することができます。

ゆとりある空間を設け、非日常感を演出

 LDKは特にゆとりある雰囲気を持った空間を創ることにより、おしゃれの質が上がります。

 

 

そのためには、ある程度家具の背丈を揃えると同時に、同じくロースタイルの家具でまとめ上げることで、上部にゆとりのある空間が生まれ、圧迫感も少なくなります。

 

 

又物が多く、特に日用品や生活感のある雑貨類が、所々で目に付くと、日々の生活感が伝わってしまうので、できるだけ上手く収納に納めるか、いらない物を処分するなどの方法が有効になります。

 

 

本当に空間を上手く演出できているという人は、生活感があるにも関わらず、おしゃれと感じさせる空間を創れている人です。

 

 

まずは、家具の配置と収納を上手く利用することを意識し、余計な物は一切無くし、置かないようにする。

 

 

又空いたスペースなどには、観葉植物などの緑の配置や、アートなどを飾ることで、すっきりとゆとりある空間を生み出すよう意識してみましょう。