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基礎着工前に縄張りや丁張りを現地で確認してほしい理由【後編】

基礎着工前に縄張りや丁張りを現地で確認してほしい理由【後編】

例えば、次にこのような現場管理が出来ない体勢の中で仕事をしていると、どのようなことが起きるか、実際にあったひどい実例を1つ挙げてみます。

 

 

いつものように、下請けの基礎工事業者さんに、縄張り~丁張り掛けをお願いして、鉄筋の検査だけは立ち会いを行い、いつものように現場確認することもなく、無事に3週間位で基礎が完成しました。

 

 

現場担当者はまだこの時点で、基礎完成後の確認はしていません。

 

 

というよりも、この時点で現場を確認して間違いがあっても手遅れですよね。

 

 

でもお施主さんは違います、楽しみにしていた基礎工事の完成なので、現場の状況を目視しに来ます。(当たり前です。)

 

 


出来上がった基礎は、鮮明に敷地に対して、存在感を現しているので、本来このタイミングでは最終確認として、基礎自体の精度や、出来形の確認及び基礎高さの計測、次に入る下請け業者への状況報告など、現場担当者は常に、現状を把握し又、次の工事の手配をしておく必要があります。

 

 

しかし、お施主さんが担当者よりも先に現場を視認し、さらに、お施主さんが先に重大な間違いに気付いたとき、その重大な間違いを現場担当者がなにも知らず、その重大な間違いがあまりにも大きすぎたとき、又その重大な間違いについて理由を求められたとき・・・。

 

 

その工事担当者は、完全に頭が真っ白になり、すぐさま現場へと向かったそうです。

 

 


現地へ着いてみて、目視だけでは瞬時にわかりませんが、その重大な間違いとはなんと、『基礎を造る場所が60㎝もずれて完成していた。(狭い土地の為、車が敷地に入らなかった。)』という何ともシンプルで、解決方法が限りなくゼロに近い最悪の間違いです。

 

 

どうしてこんなことが起きるのか、簡単です。

 

 

最終図面ではない図面を下請け業者に渡し、業者任せで工事を行っていたからです。だから、基礎工事業者さんには全く責任はありません。

 

正直同業者としてまったく意味がわかりませんでしたが、逆に百歩譲って一般的に業務をこなしている、現場監督の身に起きた話であるなら、設計段階の中で変更は良くあることなので、なんらかの取り違えなどで、図面変更前(確認申請前)の古い基礎伏せ図面を、間違って現場に反映してしまっても、他の図面との整合性や、後続業者との打ち合わせにより、本来気付かなければならない間違いです。

 

 

せめてお施主さんが気づく前に、工事関係者側から正直に間違いがあったことを、伝えることができる方が、まだ少しは救いがあったように思えたのですが。

 

 

しかし今回の事例は、それ以前の問題になってきます。

ケンシン
ケンシン
日々の業務を怠り、安易に全てを下請け業者に任せ工事を進めることが出来る、本当の下積み経験をしてない人達だからこそ起こってしまった、又は起こるべきして起きた問題だと私は思いました。


その後の結果はもちろん言うまでもなく、お施主さんの意向に反しているのと、建築確認に申請した図面に違反しているため、基礎部分は全て解体業者さんに取り壊してもらい撤去し、一からやり直したそうです。

 

 


お施主さんは、やり直し工事をしてもらっても、今後の工事が信用出来ないとのことで、話はかなりこじれたみたいです。(当然そうなりますよね。)

 

 


ということで、長くなりましたが、この話から私自身なにを感じたか、又はまったく感じられないものは何か、それは『責任感』です。

 

 

お施主さんから託された、夢を形にする仕事、昨今では責任感よりも、流れ作業のように、建物を業者任せで管理していく傾向に見えて仕方がありません。

 

ですから、冒頭で説明した丁張り掛けという作業は、建築現場で最初の作業にあたるので、私自身この作業は、非常に大切にしていて、自分の手で造り、その造ったものから、現場の指揮がとれるようになるため、その中から必ず責任感が生まれてくるようになります。
ケンシン
ケンシン


今言った内容を熟知した上で初めて、現場巡回で大切なポイントをチェックできる無駄のない現場での管理体勢がとれるのではないでしょうか。

 

 

この話をご覧になって家を建てようとしている方は、基礎工事が着工する前に、縄張りからの位置確認や、道路からの玄関土間の高さ、玄関アプローチの高さなど、全て丁張りから建物の高さがわかるので、その他気になる点があれば、必ず現場立ち会いの上、確認してみてはいかがでしょうか。

 

 

立ち会いによる確認は必ずしてくれるはずなので、基礎着工前の必須事項として覚えておくようにしましょう。